大人しいのは眠る寸前だけ! 1か月過ぎたころ、その凶暴さが俺たちを悩まし始める
俺ガス
サバトラの雄猫
我が家に仔猫が来た
痩せ細った小さな体は、母親のぬくもりを求め、先住の俺たち成猫3匹にくっつこうとする。
しかし、もともと目が開いたときから人間しか見てこなかった(保護猫わびも含め)俺たち3匹には、仔猫だろうとなかなか受け入れることができず・・・
仔猫を拾ってきた飼い主バキの夫おにゃじだけが、一生懸命触れ合いながらかわいがろうとしていた。
小さな鋭い牙がおにゃじの手に突き刺さるも、おにゃじはじっと我慢。
少々心配になったおにゃじは、妻バキにその凶暴性を相談するも、
『ガスやグレとは違うよ。歯がもぞもぞするからだけじゃなく、野良猫の習性もあるんじゃない』
と、軽く受け流していた。
元気な時間帯は大変凶暴になってきたが、一旦眠くなるとかわいいものである。
俺の姉グレは、俺と同じ15歳の老猫
可愛そうなくらい怖がりである
飛び跳ねながら近づいてくるだけで唸って、仔猫を近づけないようにする。
しかし・・・
1ヶ月を過ぎたころのある日、グレが寝ていた。
そっと猫肌の恋しい仔猫は、グレの背後に近づいた。
いつも視野に入るだけで唸るグレに対し、多少の距離は取っているものの、
そっとそばでうずくまる仔猫。
寝る際は怒られないと知った仔猫は、
次の日もそばに・・・
バキも寝てる時の大人しい仔猫なら、グレがもしかしたら母性本能なんか目覚めて・・・そしたら仲良くなれるかもと、そっとすぐそばに移動してみた。
グレが寝返りを打った時、
仔猫と向き合う形になるも、
静かな仔猫に対ししばらく見つめていたが、
いつの間にか背中を向けた形だったがくっついていた。
同じキジトラの配色のせいか、
一瞬“その前足は誰のもの?と・・・
よ~く近づいてみたら、グレの前足と似ているが仔猫のものだった。
グレが目を覚ました時、まだ仔猫は寝たまま
グレはそっと仔猫の頭をナメナメしてあげていた。
奇跡のような出来事に幸せな気分になったが、実はこれが最初で最後のグレと仔猫の仲良しシーンになるとは・・・
それから20日も経つと、どんなに爆睡していても、仔猫の気配を背中で感じ取ると、すぐ起きてしまうグレ。
ただ、目は開いているものの微動だにせず!
本気でそばに来ることを拒むようになっていた・・・
当然である!
グレが移動しようとすると空からムササビのように飛びつき、鋭い針のような牙を首根っこに突き刺してくる。
おかげでグレの首に小さな傷が・・・
いやグレだけではない、俺も被害に合ってはいた。
実は、一番の被害者は保護猫わびだった・・・かわいそうにこのころになると、わびの悲鳴がひっきりなしに響きわたる我が家となっていた。