文:ふじきせき
記念の守備固めではなく、
それは
ベンチ本気の守備固めだった・・・
7月12日
習志野秋津球場にて君津対県船橋を観戦
10年以上前に知り合った小学生が、この日〝高校最後の夏”を迎えた
ただし、1塁コーチャーとして・・・
マリンの友 思い出編→
こちらクリック
試合前のウォーミングアップ
キャッチボール
私にとっては貴重な時間に感じていた
シートノック寸前
ベンチ前の選手の中に、14を探す
そしてグラウンドに駆けていく14を必死で追いかける
ノックを受ける姿を逃すまいと・・・
それなりに形になってるじゃん♪と偉そうに思いながら眺める
単なるシートノックも、私には一つ一つ彼の頑張りの歴史に思えた
マリンスタジアム・・・
彼がトイレに立った時、お母様が漢字ノートを見せてくれた
お母様曰く、家を出る時は小坂のお姉さんに見せたいと言って持ってきたが、いざ見せるとなると恥ずかしくて見せられずにいたと。
小学生だが、中学生の字と言ってもおかしくない位きれいな漢字が書かれており、そこには大きな花丸。
実は、担任から字を注意され、上手く書けないと何度も何度も泣きながら練習し、やっと彼自身が納得のいく字が書けたとか・・・
担任は努力を評価してくれる方だとお母様がおっしゃっていた
昔の思い出を手繰り寄せながら、目の前でゴロをさばく彼の姿を見て
(きっと、納得できるまでゴロをさばいていたんじゃないかな?)
と、勝手に想像していた
バックスクリーンには、当然彼の名はない
寂しくはあるが、客観的に試合を観られそうである
ご父兄の方からメガホンと団扇を配られた
夫曰く『あれ?どこかのチームと同じスローガンだね』と・・・
〝全力疾走”
以前だったら、1塁コーチャーの存在は単に控え選手しかないイメージだったし、実際のこの日の彼もそうだったのかもしれない
東都大学野球が大好きで観戦するのだが、東都では1塁コーチャーは試合を大きく左右する存在である
亜細亜大が優勝を重ねていた時、植田優という1塁コーチャーがいた
単なるゴロも、当然『抜けろ、抜けろー!』と全力疾走を打者に要求し、スクイズだろうな~のシーンでは、大声で
『ゴロゴー、ゴロゴー!』
と・・・バッテリーの心の片隅に(もしやゴロゴーあるかも・・・)と思わせる策
そして当然のようにスクイズ決行し、大喜びする。
それも相手チームが腹立たしく思えるよう演技も入った喜び方。
3塁コーチャーとベンチの策にそってその場に応じた言葉を飛ばす
つまり、心理作戦なのだ
実際のところチームの実力は、現亜大より決して強いとは思えなかった
まず全く打てなかったし、ついでに外野守備も大甘で、バッテリー&内野守備頼りのチーム
わずかなチャンスをその1塁コーチャーは逃さず得点に必ず繋げていき、気づくとリーグ優勝
どんな熱い1塁コーチャーを見られるだろうと、
ワクワクしていたのだが・・・
試合が始まる
全国県立でもスポーツ推薦をとりいれている時代
そんな中、努力して県船に入学し野球をがんばったところで、強豪校山ほどいる千葉県でどう戦い勝ち進んで行こうというのか?
ちょっと前はそれでも文武両道として早川大輔氏(現オリックススカウト)が出身
他には大昔日野茂氏・・・
私自身、東都1部リーグで実力ある新人を見ている〝自負”のようなものがある
内心、全寮制で授業は形だけのスポーツ推薦私立が全国にたくさんある中、県船がどんなに頭脳を使い体も使って頑張ったとしても、失礼ながらたかが知れてるだろうと正直思っていた
マウンドに上がった県船の投手は、細身も思いのほか重心低くぶれず安定感を感じる
踏込が安定し、しっかり沈みフォームが乱れないことから、この投手はかなり走り込んで体作ってるのではないかと・・・
投球後も流れることがない
・・・で、県船橋の1塁コーチャーはと言うと
微動だにせず・・・ 大丈夫なのか?
初回2番の串田選手がライト線へ飛ばした
1塁コーチャーからそのままライトへカメラを向けるとスタンドイン!
この後、串田選手は猛打賞の活躍を魅せる
守備がちょっとな~と思ったら、1年から期待されていた選手で、まだ2年生だと言う。
来年〝送球”頑張れ~♪
県船ナインのヒットでランナー出塁
彼はどんな仕事をするかなと1塁をユルッと眺めていた
なんか〝1”って出してるけど、アウトカウント数? オ~ィ、テンション低すぎないか~?
打席に投手が立つ
高校生はDHもなければ、攻撃時は得点のために野手と同じ働きを求められる
軸足に体重残し良いフォームでライナーを飛ばすも、レフトフェンス前でファインプレーに阻まれた
それにしても良い打球だった♪
県船2回
まず2点目
そして3点目
好走塁を交えてこの回2得点加え3点差に
ちなみに1塁コーチャー相変わらず冷静なのか、テンション上がってるように見えず・・・
3回、まだまだ先が長いとあって、
ランナー3塁好走塁
4点目はスクイズ
ん?県船4点目のはずが君津に得点が入る
県船に4点目の点数が入るも、
今度はスタメン攻撃のランプが君津の鈴木君の上にともって・・・そのままチェンジ
エーイ、このままスタメン丸ごと代えちゃえーって、左右のスタメン丸々表示交換
手動じゃないからあっという間だ
なんとな~く余裕を感じたのか、〝マリンの友”の彼のお父様お話にいらした
彼の話以上に、スタメンやら千葉県野球の話やら・・・
個人的に、サードの選手のボールの捌き方と打撃フォームが気に入った話をすると、サードの村井選手はキャプテンだと言う
想像以上だったのが、走塁への意識の高さ
走塁の意識が高ければ、得点の幅も広がるものである
ところで、1塁コーチャーだが・・・
チェンジの際走ってコーチャーズボックスにつく姿を撮ろうと待ち受けるも、チェンジになった瞬間もう1塁にいるではないか~
なかなか撮れず、4回そこだけに集中し、3度目の正直ならぬ4度目・・・
やっと撮れた~♪
彼が1塁に到着した時
まだ相手ベンチからは一人しか出て来てない
良いことだが、
出てくるの早過ぎ~!
のんびりしているのもわずかだった
打撃に走塁にと手を抜かず目いっぱい働いていた投手、6回サードのエラー(と言っても後ろに逸らさず体勢低く食い止めるも、上に跳ね上がり打球を見失ってしまったプレー)から、急にガクッと来た疲れが表面に現れ始めた
球が浮き、抑えようとするとかなり前でバウンドした
ちょっと高めになって痛打される
素人でさえわかった疲れ・・・監督さんも交代を考えていたと思うが、何せ高校野球
エースを下げることが一発勝負の高校野球ではかなりの覚悟を要するだろう
親御さんたちの熱い声援は続く
どんなピンチも、ひたすら見守ることしかできない
それも親の仕事
途中交代となったサードの村井選手がマウンドへ上がる
そして他のポジションも動く
隣に居たはずのマリンの友のお父様が
あれ?消えた!
つづく・・・