俺ガス
昨年末、飼い主バキがせっせとケージに通うようになった
俺は知っている!
そこには“鉄サビ色したモコモコ”がいることを・・・
今は寒さも手伝って、同じ年の姉のグレはほとんどおコタの中で過ごす
最近、寒くも優しい春の日差しを感じる日も増え、時折俺は寝床にしている箱ごとベランダで日に当ててもらう
寒いためか、毛の少ない(ストレスから舐めすぎて毛が薄い)グレはベランダに出たがらない
先日のこと・・・
バキがケージ前で日向ぼっこをしていると思ったグレは、喜び勇んでバキのもとへ駆け寄った
するとそこには、箱
そしてその箱の中に、モコモコ・・・
グレは一瞬固まるも、クンクン、クンクン・・・
モコモコしたものが、急に振り返ると、グレは小さく“ハー”して箱ベットに逃げ込んできた
しばらくして俺がケージを覗きに行くと、
モコモコがいた
俺だって怖いが、襲ってこないようだ
ただ・・・何をすればいいのかわからず、何事もなかったかのように自分の寝床に戻った
バキは、『大丈夫だから~♪』と言いながら、グレ覗くも、俺にはバキにさえ怯えていたように見えた
飼い主への、裏切られたという気持ちと不安と・・・
そんな思いがグレの瞳は語っていた
モコモコの正体がどうであれ、俺はグレが心配だ
この時からグレの体毛は、ますます薄くなっていった
無神経な飼い主に憤るも、
俺はただただ見守るしかないのかもしれない・・・