それは大きく表示されているわけではなかった
一見、たいした価値を感じさせないその案内の紙
下手をすると、興味をそそられず再び逆戻りしてしまいそうな・・・
見たい物はたくさんあった
マーくんファミリーを追っかけようとも思った
ファームの子達にも会いたかった
そして、球場で知り合ったお友達にも・・・
あの階段を降りなければ
あの階段に背を向け、再び内野に戻って駆けずり回っていたら・・・
しかし、踏み入れてしまった・・・あの空間
シーズン中は外野には行ったことがない
ビジター側の外野なら尚更である
表示が手招きする・・・まるで催眠にかかったかのようにそのネーミングに惹かれて足がそちらに向く
そのネーミングとは
“釣り堀幸一”
階段を下りていく
するとそこには不思議な空間が広がっていた
3人の選手が各釣り堀の前に立ち、ファンと共に真剣に釣りを行う企画ではあるが、釣るのは金魚らしい
そこに居続ける気はもうとうない!
人の釣り姿見て、何が楽しいのか!
一応見たって事で次に行こう・・・
そう心に決め、動こうとする冷静な精神があったのだが、
釣り堀幸一の笑顔で金縛りにかかる自分がいた
プロ野球選手と共に釣りに没頭するファン達
選手どころではないというのか?
いや、ファンにその存在を感じさせないのが
堀幸一の凄さである!
もっと言うなら、ここに応募したファンの方みんなが、私には堀幸一にさえ見えてきたほどだ
堀幸一と共に参加させられた(?)のは、福浦選手と南選手である
不思議である・・・
なぜか2人とも、いつしか釣り堀幸一になっていた
黙々とファンと共に釣りに没頭する福浦幸一

一応、最初は自分を見失っていなかったが、気付くと幸一になっていた南幸一
よく一体感と言うが、この外野席に向かう途中の空間に造った釣り堀の周りにいたファン達は、その時間一体感を感じていたのではないだろうか?
わたしはそこから脱出したかった
何か口実はないか?
何かきっかけはないか?
すると外から爆笑の声が届いてきた
その声に反応し、レフトの外野席向かおうと・・・しかしそう簡単には離れられないファンのサガ?
堀幸一の釣り堀メンバーの女性が10匹を超える
しかし、肝心の堀幸一はなかなか釣れない
そんなこんなで時間オーバー
表彰などがあり、一旦ひと休み・・・次のグループが待機していたが、これを期にこの場から立ち去ろうと。
釣り堀幸一から放たれた気分でレフトスタンドに上がると、そこには今いた空間とは全く違った
“動き”のある空間が広がっていた
ファームのど根性2人組み

笑顔が素敵な2人

試合時と同じ止まって見える男
レフトスタンドからライトを見ると
いるではないか・・・ファーム族
おっと、あそこに見えるのは
( ̄ε ̄@)
佐藤の賢ちゃんではないか
(次はどこに行こうか・・・♪)と思っていると、背中の方から
『次のグループ△※◇※◎』というアナウンスが耳に入ってきた
わたしの意志とは反対に(?)体が再びあの場所に・・・
何をしにきたのだろう?
何が目的なのだろう?
充分、3選手の元気そうな姿は目に焼き付けたではないか!
そう思いながら
この場に

いや、この笑顔見たさに戻ってきてしまった