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ヒットエンドにゃんEX
nekoumeume.exblog.jp
2018年 02月 13日
別れを覚悟していたものの・・・
亡きグレはガーベラが好きだった
ガーベラを手土産に天国へ向かうがいい
別れを覚悟していたものの・・・_b0166128_18531542.jpg

あなたの大好きな猫草も持って・・・



文:ふじきせき
飼い主としてどこまでしたらいいのか?
どこまでは猫にとって幸せなのか?
本当にこれでよかったのか?
そんな疑問は、老猫4匹を見送ったが
いまだに答えが見つからず・・・

2月8日夜23時、ガスの様子がおかしかった
9日朝一で病院に行くことにした
血液検査やレントゲンや・・・
夕方引き取りに行くと、腎臓病以上に心臓病の影響が大きいようだった
もうダメなら諦め、まだ可能性があるなら
出来ることはしたい旨を伝えた
一日2度の注射通院が決まった
ただし、それが1週間なのか
3週間なのか定かではなかった
先の見えぬ日々に、不安も手伝って
帰宅後つい、夫も私も口調は強くなる
病院の協力もあり、
何とか2週間程度は2度しっかり通える予定がたった

10日、注射開始の朝
病院へ向かう
レントゲンに写っていた心臓の周りのくもりが減っていた

夕方6時に2度目の注射を約束し
一旦帰宅

土曜日の昼下がり、
ガスの顔を見ながら
今月いっぱいと言われているわびの点滴にお薬に・・・
ひと段落つくと、ガスの側で過ごす
弱りながらもカメラを向けると 
いつものように
別れを覚悟していたものの・・・_b0166128_07224581.jpg
カメラ視線を送ってくれるガス

午後2時頃だった
ちょっと意識がもうろうとしている気がし
心拍数を図ろうとしたが
どうも呼吸が激しくなってきている
午後2時半を回ると、
1分間に100回軽く超える呼吸数
心拍数などと言ってられないくらい激しい
寝ながらに全力疾走をしている状態なのだろう
私の父の最期を思い出した

勝手な判断も、仕事中だったが夫にメールした
『ガス、もうすぐサヨナラっぽいです』
と・・・その返信は
『覚悟できてます』
と来た

若猫ビーコンは、過去の老猫の死が近づいた時の動きを
前日からガスに感じていたらしい

ガスのそばに居た時、背に殺気を感じた
ふと周りを見回すと、ビーコンが私を睨んでいた
声をかけても動かず、カメラを向けてもカメラに向かって睨みは津ずく
別れを覚悟していたものの・・・_b0166128_19034317.jpg
ビーコンのところまで聞こえる位、
ガスの呼吸が乱れたとき、
ビーコンに再び目をやると 
別れを覚悟していたものの・・・_b0166128_19041898.jpg
今度は心配そうにガスに目を向けた
しばらく離れた所から、ガスをずっと見ていたビーコンだったが
ちょっと声をかけると顔を埋めて・・・
別れを覚悟していたものの・・・_b0166128_19044993.jpg
しかし、ガスの苦しそうな呼吸のたびに、ビーコンの耳が動く

午後3時を回って、多少呼吸が激しいながらも安定
しかし、もう病院へ連れて行ける状態になかった

このまま今夜か明日か・・・
飼い主として〝決断”の時が来た!

ずっとそばに居るわけにもいかず
時折、生きているのかどうか
布団の上下運動でガスの生を確認

再び夫に経過を報告

午後5時半をまわったころ、
呼吸の乱れが急に激しくなってきた
これはまずいと夫に連絡
6時には戻れそうだと・・・

もうすぐ6時
一気に死が来たかのように
ガスが唸り声をあげながら
口から唾液が飛び散る
体は硬直し
そして呼吸が止まった
過去の老猫たちの時とまるで違う
硬直し伸びきった体をすぐに抱き上げながら
同時に夫に電話
『いまどこ?早く!』
と言いながら、ガスに
『もうすぐおにゃじ来るのにー!』
と・・・その時、止まったはずの呼吸が
唸るような大きな呼吸音と共に息を吹き返した
確かに一瞬死を見た気がしたのに
こんなことがあるのかと不思議に思いながらも
夫に会わずに死ぬわけにはいかないのかもとも。

玄関が開き、夫が飛び込んできた
すぐに膝に抱き上げた
息をしたいが空気が入ってこないのだろう
その苦しそうな体の硬直と
わずかな空気でも吸おうとする音

酸素がもう入ってこないのだろう
細胞に残った酸素だけで保っているようだった

苦しむガスに頑張れなんて言えない夫は
『もういいから、もう・・・』
そう言いながら涙する
そして固まった体を抱きながら
『死んじゃったね』
と・・・ん?耳動いてない?
再び動くガスを感じ、私は
『まだ生きてる!
ガス~ガス~』
と声をかけるも、
再び動かずもう最期かと・・・

そして夫が、今度こそ死が訪れたのだと
『本当に死んじゃったね・・・』
と泣く

・・・ん?

また動いた~!
『生きてるってば~』
と私が言うと、
涙こぼれまいと天を仰いでいた夫は
『え?死んでるってば』
と言いながら触る
またまたガスが微妙に動く
ただし、もう空気は吸ってない

夫は、そのフェイントみたいな
ガスの繰り返しの頑張りに
もう笑うしかなかった
でも涙は頬を大量に流れてた

亡き姉のグレの死に方は、
一瞬だった
しかし、ガスはもがき苦しんでいた
その苦しむ姿を、ただ見ているだけしかできない私たち

そうは言っても、間に合ってよかった
夫婦で見届けることができた

ガスを、彼がお気に入りだった洗い桶に
保冷剤となどと一緒に冷やす

その側にビーコンが来た
別れを覚悟していたものの・・・_b0166128_19262929.jpg
何かを感じ取っているのか?


昨日・・・
亡きグレが好きだったガーベラを
ガスに持たせようかと枕元に置く
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そしてガスが大好きな猫草も添えて・・・
ビーコンがそっと近づくも 
そこにいたガスはガスではなかったのかもしれない
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近づいたはいいが、威嚇しながら去って行った
野性の本能は何を感じ取っていたのか?


by fujiki-seki | 2018-02-13 07:48 | 猫だって歳をとる
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