文:ふじきせき
老猫グレの血液検査結果
脱水に腎臓に・・・ 猫にも
人間にも
老いはくるその老い、時には恐怖を招く・・・のか?
昨日
朝、寝たきりの雌猫グレに流動食を与えた時のこと
ほんのわずかだが、力が出て来たグレを感じた
ただし、流動食を拒否しようとする抵抗から生まれる力
可哀そうだが、それに負けじと注射器型の器具で流動食を食べさせようとする私。
中指を噛まれた。
中指の腹にまっすぐ針のような細い牙が刺さり、中指に腹から血が噴き出すようにあふれてきた
中指の爪と皮膚の間に下あごの小さな牙が刺さった
一応そちらもちょっとばかり・・・
その時、とりあえず〝プロポリス”を塗って大急所地
血はすぐに止まった
そしてグレと獣医さんへ・・・
体重もわずかに増え、点滴をしていただいた
先日の血液の検査結果もいただき・・・
猫に噛まれたらすぐに病院へ行った方がいいと獣医さんに言われた
帰宅すると朝は何ともなかった噛み傷がうずく
お昼近くなるとズキズキしてきた
急いでネットで近所の外科医を探す
やはりチェックする〝口コミ”
一件あった
昔ながらのお医者様♪
落ち着いた優しそうなおじいちゃん先生です。
スタッフも皆ベテランという感じで安心できます。
>おじいちゃん先生
が引っかかったが、写真を拝見する限りそんな御高齢とまでは感じられず、診療時間は木曜午前中だけ
とりあえず1件だが、口コミから大丈夫だろうとすぐに病院に向かった
経堂のすずらん通りに面した立派な煉瓦作りの建物
扉を押すともう一つ中の見えない扉が待ち受けていた
一瞬押そうか押すまいか・・・と思いながらも、ゆっくり扉を押した
4,5人のお年召した患者さんがおり、すぐに受付のベテラン看護師さんが声をかけてきた
〝猫”に噛まれたことを伝え、手渡された問診票に記入
しばらく待っていると順番が来た
診察室の扉を開け、診察椅子へ
目の前には、写真にあったおじいちゃん風お医者様がいらした
ただ・・・
写真はどれくらい昔だったのだろうか?
と思わせてくれた風貌
明らかなる御高齢
いや、御高齢でも直していただければそれでいいのだ
そう自分に言い聞かせながら、
『どうされましたか?』
の質問に
☆飼い猫に噛まれた
☆時間は今朝
☆噛まれた箇所三か所
☆その後徐々に腫れてきた
☆今現在、特に一番痛みが激しいのは中指腹の部分
以上のことを手短に説明も、
〝中指の腹の痛み”強調!
お医者様、
『猫に噛まれたのか~』
と言いながら、患部を確認し
看護師さんに消毒を伝えた
看護師さんから、茶色の直径1センチの丸い消毒綿をピンセットでつまんで、ピンセットごとお医者様に渡した
なぜか乾きめの消毒綿
以前、半野良保護の際噛まれた傷は、内科で見てもらい、
『外科ではないので、消毒とお薬だけだけど』
と言われるも、しっかりとした消毒だった記憶がある
今回は、たいしたことないのかも・・・
それでも気になったのは、
そのお医者様の連続して震える手
この時点で、なんとな~く不安がちらつく
ピンセットごといつ落ちるかと心配していると、
もう一人の看護師さんが手慣れたように、
〝これなら何が落ちても大丈夫です♪”
といいたげに、膝まづきながら容器を添え
・・・って、
(勘弁して~!)
震える手で握られたピンセットは、なかなか中指腹の患部に当たりそうで当たらない
(いや、もうちょっと下、あっ、もっと右右~)
などと心の中でいつしかお医者様の応援
やっと当たっても、お医者様自身どこが傷口か把握できていないようにも見えた
もしかしたらあえて傷口を外し、実はもっと効き目ある薬をこの後傷口につけてくれるのだろうと・・・
(いや、きっとそうだ!)
そう自分の心に言い聞かせていると、
一番痛い中指の腹部分ではなく、
反対の爪と皮膚の部分を消毒し始めた
そしておもむろに業務用の高級爪切りとハサミが用意される
(え?爪切ってあるけど・・・どこ切るの?)
新たな不安が湧いてきた
たいして痛くもない爪と皮膚の境の傷
お医者様が
『爪の間は消毒しにくいから、切らないと』
と・・・
(ちょっと待った!
切るってどこを?)
無理やり爪と皮膚の間に爪切りを突っ込むも、すぐ切ってくれればいいものの、震えが手伝って〝上手く切れない”とボソッと言う
下手をすると皮膚の方を切っちゃうかと・・・。
牙が刺さったところではなく、ささくれていたところを間違ったらしい
結局、爪&もれなく皮膚も切ってくれちゃって
つい
『痛い!です。』
と、連呼・・・
いわゆる、爪がはがれる痛さかな?
痛いだけでなく、そのお医者様の震える手への不安が勝り
(我慢するから、切るなら早く切ってくれー)
と、不安をかなぐり捨てる為、治療の様子から目をそらす
皮膚と爪の間に針を刺す刑が昔あったな~
きっと痛かっただろうな~
ちらっと見ると、ますますお医者様の震える手が的を射ず・・・
爪辺り赤く・・・血出て来たじゃん!
助けを求めて看護師さんに目をやると
看護師さん、目をそらし床見てるし~
こんなにも痛さを越える恐怖はなかった
やっと終えるも、
一番痛かった中指腹部分を越える痛さが、爪の方に感じるではないか!
そうか、超ベテランお医者様は、中指の腹の痛さを越える痛さをあえて作ることで、中指腹の痛さから回避できるのだと考えたのだろう
きっとそうだ、
そう思わないと
やってらんない!
お医者様が、それで足りるの?と思うくらいの小さな黄色の液が付いたガーゼを巻き始める
なぜか爪のところ中心で、一番腫れあがった中指腹に届いていないではないか
ここでこれはまずいと、お医者様ではなく看護師さんに
『あっ、中指のここが一番腫れて痛いのですが・・・』
と、控えめに伝えると
看護師さんが
『あっ、届いてませんね~』
と言いながら、横からお医者様の巻まきをお手伝い・・・と言うより、ガーゼをずらして腹の部分に何ギリギリ届くように巻いてくれた
その後テープで固定も、なんだかどこが患部か不明状態
えーい、かぶせてしまえば分らない!
とばかりに、指サックのような布を被せられ・・・なかなか良いものがあるな~と感心なんかしてしまった
やっと解放される喜びが湧いた時、お医者様から
『どれくらいの大きさの犬なの?』
と、質問された
『猫です』
と・・・
もう、これで来なくていい
お薬さえもらえばこっちのもんよ♪
と深く頭を下げ、内心
(いままで味わったことのない貴重な恐怖経験をさせていただいたのだから)
と、お礼を言って出ようとした時、
『明日、消毒しに来てね♪』
と、お医者様からご親切なお言葉を頂いた
帰宅後ネットを再び確認
その口コミの記事は
2006年のものだった
実は本当の恐怖はこの後に来た
定番の〝猫に噛まれたら抗生物質”の薬を飲む
確かに噛まれたところは腫れているも、痛みは引いていた
ただし、爪切りに切られた部分は、
心臓がそこにあるかのように〝ドクドク”と脈打つのがわかる
そして時間を追うごとに痛みはひどくなり、触れただけでも痛い
更に昨夜は、その痛みで寝られず・・・
痛みに耐えられず、そっと的外れなガーゼを取り除くと
それは的外れではなかった
そう、噛まれたところではなく、
間違って切ってしまった爪と皮膚の部分が血ににじんでおり、
違う腫れを招いていたのだ
今日、消毒に行かねばならぬのか?
いや、痛くてたまらないので、改めて爪の傷を治しに皮膚科を探すことにした