文:ふじきせき
百聞は一見に如かず
ボールと決してケンカしない
小坂誠の好プレーを
側で観てたのは伊達じゃなかったね♪
7月12日 習志野秋津球場へ〝マリンの友”の試合を、いや”マリンの友”の成長した姿を観に行った
マリンの友 思い出編→
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マリンの友 前半→
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彼は、小学生時代の夏休みの研究でプチトマトを育てたことがあった
プチトマトが育って行く過程で、ひとつひとつ名前を付けた
ちょっと面長風の大きめのトマトは〝パスクチ”、小っちゃいのは〝小坂”・・・そう、当時のロッテ選手の名である
観察力は、実は観戦時からおおいにあった彼だった
記憶力も素晴らしく、相手チームの選手でも、出身校・特徴・時にはどの選手と同期・・・さらには年俸まで、すらすら教えてくれ、そこらの偉そうに話すおっさんよりずっとためになった
そんな彼の記憶力・観察力、そしてそれを生かしたプレーを見ることができた!
6回、一気に5対0から5対3となり、それまでサードを守っていたキャプテンの村井選手がマウンドに立つ
・・・と同時に、セカンドへ彼が走る
まだ場内アナウンスはされていないが
さすが親!
いつの間にか隣に居たはずの彼のお父様は
凄い速さで自席にダッシュ♪
スクリーンに名が・・・
口では
『セカンド打球飛んだとこ観たいね~』
と言いながらも、心の奥底で(セカンドへ飛びませんように)と願っていた自分がいた
村井選手がマウンドに上がれば、
彼がセカンドというのは、もしかしたらお約束かな?
この日初めて見た彼のチーム
県船のベンチの考え方は知らないが、守備固めでセカンドを代えるとは、正直凄い勇気がいるのではないのかと・・・
2アウトランナー抱える中、
ピッチャー左を抜ける強烈な打球
2年生ショートが捕球フォームバラバラも、〝全身必死”オーラで打球の正面に入ろうとしながら体で抑え込み、そこから2塁へ送球
入ったばかりのマリンの友が無事捕球しながらベースを踏んでピンチを切り抜けた
まわりはきっと、〝ショート良く止めた”と思っただろうが、その時私は、
(ショートからの送球、こぼさなくてよかった~)
と、ホッとしていた。
試合前半の呑気な観戦なんかしてらんない!
東都リーグの強豪チームの常識からすれば、バッテリーを除けばセカンドと言うポジションは一番重要視される守備である
リーグ戦なので、東都1部常連校は、打てずともセカンドだけは下手な選手は決して使わない
打撃に目が行き、セカンドをおろそかにした瞬間2部に落ちていく
一発勝負の高校野球
当然打たなければと言う発想も、追い上げられエースが力尽きたこの場面では、守備重視でセカンドを代える
県船監督さんの勇気というより、もしかしたら裏打ちされた彼の守備技術への監督からの信頼があるからなのかもしれない
そうであったら、彼の友として本気でうれしい
次の回だったか・・・
一二塁間へ上がったフライ
2人が重なるも、
セカンドが捕球していた
セカンド左へ打球が飛ぶ
正面に入りながら体を沈めての好捕球
低い送球はファーストもしっかりキャッチ
お世辞抜きで、横への移動やボールに対しての正面の入り方、体の沈め方、私の知ってる〝上手い選手”の形になっていた
8回の守り・・・
セカンドに飛んでほしいような、でも飛んでほしくないような。。。
・・・って、
セカンドライナー
8回裏の攻撃・・・
マリンの友に打席が回る
プロもそうだが、ずっとスタメンで何打席か立ってたならまだしも、この打席が初めてでそうそう打てるものじゃない・・・半端なスイングだけしなければいいやって思って見ていた。
初球
セーフティーバントはファールも、サードが警戒し前に出てきた
まるでそれを狙ったかのように・・・
2球目
外引っ張って、前目に守っていたサード右、三遊間をゴロが抜け
ヒットに
この回得点にはつながらなかったが、守備固めがあると聞かされ、その守備が観られただけでもうれしかったのに、ついでにヒットも観ることができたと思うと、安心感とうれしさと♪
夫曰く『1塁コーチャーズボックスで何してたかって、わかったでしょ♪このヒットのためにしっかりバッテリー見てたんだよ』と・・・ホントかよ?と思いながらも、彼のことだから案外そうかも。
9回表・・・
捉えられるも、テンポを崩さず投げる村井キャプテン
それでもこの回1アウト、2-2から飛ばされ、
センターの頭を越えてしまった
それでも2アウトまで来た
最後はピッチャー返し
弾くもさすがサードやってるだけあり、
弾いた後の落ち着いた処理で
試合終了
夏の日の思い出
失礼ながら良い試合になっちゃって♪
暑さきびしかったためか、思いのほかエースに早い段階で疲労が現れるも、2番手のサードからマウンドに上がったキャプテンが、一見良い当たりも、野手の守りやすいテンポを崩さず逃げずに投げ込み守り抜いた・・・という感想を持った私だった
私の夫は、野球に関しては決して上手ではないものを上手だとは言わない人である。
そんな夫が試合後
『今日見た内野手の中で、絶対〇〇ちゃん(マリンの友)の守備が一番上手に見えた♪』
と言っていた。
私も彼の友でなくとも、きっとそう思える私好みの良い守備だった
勝とうが負けようが、私は守備重視で野球をみる
打撃はみんな好きだが、守備は地味な練習を重ねあまり好まれないらしい
好きな科目は率先してやるが、嫌いな科目はできたらスルーしたい
しかし、苦手な科目もコツコツ克服していく人は〝本物の努力家”だと思っている
彼は、あの記憶力・洞察力・観察力諸々の才能を生かし県船に入って、大好きな野球を3年間続けてきた
そんな彼が、この日友として(勝手に友だと思っているだけだが)どんなに誇らしかった♪
そして彼も、この野球部の仲間を誇らしく思っているのだろうと・・・
知り合ったばかりの時、彼に野球をやるのかと聞くと、まだわからないと言っていた
純粋な子供の心をかき乱すのが好きな私は、
『野球選手じゃなくって、球団を持ってる会社の一番偉い人になりなよ♪』
と・・・彼は斜に構えちょっと間を置く
変なこと教えちゃったかな?と思った瞬間、
左の口元を少し上げて〝ニヤッと”微笑しながら
『うん』
と頷いていた
久しぶりに〝一生懸命な野球”を魅せてもらって、ホームで電車を待っていると、反対のホームに見たことのある子、いや大人が・・・
マリンの友のお兄ちゃんだった
お兄ちゃんはもう大学生になっていた
そんな年頃に、昔のノリでおもいっきり手を振ると、ちゃんと振りかえしてくれ、先に来た電車に乗った後も、手を振れば振りかえして・・・以前と変わらぬ優しいお兄ちゃんだった
野球は一人でやるものではないと言うが、ベンチの外で各選手の家族が一緒に戦っていた
〝家族の大きな支えあってこそ”とは、どういうものなのか初めて実感させられた日でもあった
県船、次も勝ってほしいな~