俺ガス
葦毛・・・っぽい猫
俺の飼い主は、一時期競馬場通いに凝った時期がある
それも、賭け事・・・というより、馬を見にと言う方がメインだった
飼い主バキが独身時代、当時付き合っていたおにゃじ(今の夫)にデートで連れて行ってもらったのが、東京競馬場だった・・・(なんだかな~?)
初めてのレース場
ゴール地点で待つバキは、ゴールから300M位先(かな?)の直線で走ってくる馬を見て応援も、あっという間に目の前を通過した後、レースから目を離した
競馬ルールを全く知らないバキは、スタートして一周してゴールだと知らず、単にスタートしてすぐ通過して行くゴール地点を通過した時、それがゴールだと思ったらしい
レース以外のイベントで、馬を触れると知るや、子供の列に並んでナデナデするのが楽しかったという
当時夫のおにゃじも、実は賭け事というより馬の伝説やアナウンサーの名言、親はだあれ?などの脇ネタが好きだった
バキは名前や愛嬌で馬券を買っていた
例えば、モンチッチとかチャチャムスメとか、追い込めない追い込み馬&逃げ切れない逃げ馬とか・・・
珍しく馬体の美しさで買った馬券があった
それが、漆黒の馬体に星ひとつの“フジキセキ”
おにゃじから伝説の名馬の話をよく聞いていた
その中に、いつも涙するのが“キートン”という馬のお話
一目瞭然の予後不良状態ながらも、落馬し倒れた騎手に寄り添う姿は、白黒画面も十分感動させられる
昨日、ショッキングなニュースが我が家を襲った
後藤浩樹騎手の自殺
後藤騎手がマリンスタジアムに来たときは、凄いファンサービスを演出してくれていた
毎回レース後のコメントも楽しみだったし・・・
“シゲルスダチ”が昨年末にレースで落馬し、その後安楽死
シゲルスダチと言えば、後藤騎手騎乗の際伝説をつくった馬でもある
2012年のNHKマイルCに、後藤騎手がシゲルスダチに騎乗した時のこと・・・
シゲルスダチは2012年のNHKマイルCに出走し、直線で人馬ともに転倒。
そのような場合、大半の馬は他の馬について走り去るが、シゲルスダチは落馬した後藤浩輝騎手のそばを離れなかった
シゲルスダチの死に対しの後藤浩輝騎手のコメントは
「運命を感じる馬です。去年の奥多摩Sでは自分が騎乗していましたし、今回のレースを無事に走り終えたら次のレースでは自分が騎乗する予定でした。その時が来るのを僕自身とても楽しみにしていたし、ファンの皆さんも待ち望んでくれていると思っていただけに残念でなりません。10月21日、美浦トレセンで調教騎乗を再開したときも、最初にまたがったのはスダチでした。予定にはありませんでしたが、スダチと再会できたのが嬉しくて乗せてもらったんです。まさか、それが最後の騎乗になるとは思いませんでした。
今年の奥多摩Sはラジオ解説という立場でスタンドから見ていました。ゴール前でバランスを崩して、スピードダウン。重い故障だということはすぐにわかりました。それでも、ゴール後も止まらず、鞍上を無事に下ろしてから馬運車で運ばれていきました。NHKマイルの直線で倒れた僕をずっと見守ってくれていたスダチ。その最期を僕自身が見守れたこと。そして、10月21日の調教で騎乗できたことが心の慰めです。でも、今でもスダチの死は受け入れがたいです。
今回のことで、改めて勝つことだけではなく愛される馬をつくることが大切だと感じました。勝つことより、愛される馬をつくるほうが難しいかもしれない。でも、それはとても大切なことだと思います。11月22日、僕は復帰します。これからジョッキーを続けていく中で、勝つことはもちろんですが、馬の内面、馬の心まで伝えられるように努めていきたいと思います」
と・・・単なる騎乗した馬という関係を越えていることがわかる
そして先日(21日東京11RダイヤモンドS)で後藤騎手また落馬し、この時の馬(リキサンステルス)は右上腕骨粉砕骨折で安楽死処分
この時おにゃじは
『後藤、また落馬だって・・・命に別状なかったみたいで・・・でも馬は安楽死か~可哀そうだな』
と言っていた。
俺は、時折サラブレットの儚さを切なく思う
バキが大好きだった“ギガトン”と言う馬は、まれにみる幸せな馬生を送っているようだが、大半は結果が伴わないと怪我してなくても殺されていく
『次は優しい飼い主さんの飼い猫に生まれてこいよ』
と言ってやりたいといつも思う。
猫は死ぬと天国につながる虹の橋のたもとで飼い主を待っているという
もしかしたら、猫だけでなく馬も?
シゲルスダチと後藤騎手は虹の橋を駆け上がって行ったのかな?
俺の飼い主は、一応バキだが・・・
俺はおにゃじとグレと橋を渡りたい
だってバキだと、何匹かの猫たちだけでなく、犬やらインコやら、ついでにモモンガやら・・・
絶対嫌だ! そんな騒がしい状態で虹を渡るのは。。。